当院は予約優先制となっております。緊急時および急患の方はお電話ください。
045-951-2380
診療時間:9:00〜12:00 / 16:00〜19:00
※画像がうまく表示されない場合はこちらからどうぞ
膝(ひざ)が悪いと、後ろ足を上げてケンケンして歩いたり、ぎこちなく歩いたりすることがあります。しかし、様子を見ていると普通の歩き方に戻ることもあるため、膝の病気だと認識されている飼い主さんはあまり多くないようです。今回のコラムでは、膝の病気でも特に多く見られる、膝蓋骨内方脱臼についてまとめたいと思います。特に小型犬を飼育されている方は注目してみてください。
膝蓋骨とは、後ろ足にある“膝のお皿”のことで、このお皿が下のイラストのように脱臼することをいいます。内側に脱臼することを内方脱臼といい、外側に脱臼することを外方脱臼といいます。発生頻度としては内方脱臼がとても多く、よくパテラとも呼ばれることがあります。(注:パテラ(=patella)とは膝蓋骨のことです)
講談社 「イラストでみる犬の病気」から引用
本来は「膝蓋骨」は「滑車溝」におさまるのが正常です。「膝蓋骨」の位置に注目してください。
小型犬に多くみられます。特に、ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャーテリア、チワワに多くみられます。この病気は遺伝性疾患の一つと考えられているので、生まれつきの病気として持っています。大型犬でもまれにみられることがあります。
生まれつき膝周囲の筋肉、靭帯の異常や骨が変形していることが原因であることが多いです。また、生まれつき以外の原因としては、落下や打撲などによる外傷や、栄養障害に伴う骨の変形が原因となることがあります。
膝蓋骨の脱臼の程度によって重症度の分類(グレード分類)がされています。グレードにより予後と治療が変わってきますので、現在の状況を把握することはとても重要になります。
犬の膝蓋骨脱臼は、比較的多く見られる疾患です。ただ、症状を伴わないケースも多く、治療方法も様々です。また治療に対しては、様々な考え方があり、痛みが強く出ているグレードIIやグレードIII以上の場合でも高齢やその他の疾患で麻酔がかけにくい場合、内科的治療を選択する場合もあります。ただ、若い犬の場合だと、内科的治療で一時的に改善しても、高齢になったときにさらに悪化してしまうことも少なくありません。当院では、その子その子によって異なる状況にあわせて、最適な治療プランを提案しています。ご心配なことがありましたら、ぜひご相談ください。