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モルモットが頻繁に体をかいたり、毛を気にしたりしている場合、皮膚炎だけでなく、ダニやハジラミなどの外部寄生虫が原因となっていることがあります。
モルモットでは、カビアハジラミ(Gliricola porcelli)が多く見られ、カビアマルハジラミ(Gyropus ovalis)もまれに寄生していることが知られています。寄生数が多くなることで、かゆみや脱毛、皮膚の炎症などがみられる場合があります。また、同居するモルモットとの直接接触や、床材などの汚染物を介して広がることもあります。
今回、体の強いかゆみを示していたモルモットについて、被毛上に見つかった小さな虫を顕微鏡で確認することで、ハジラミが原因であることを特定することができました。
生後8か月のモルモットが、全身のかゆみを主訴に来院しました。
飼い主様によると、かゆみは一時的なものではなく、ほぼ常に続いているとのことでした。モルモットは頻繁に体をかく状態が続いており、飼い主様も原因が分からないことを心配されていました。
モルモットの皮膚疾患では、寄生虫、真菌感染、細菌感染、外傷など、見た目だけでは区別しにくい原因があります。そのため、皮膚の状態を詳しく観察し、必要に応じて顕微鏡検査などを行うことが重要です。
身体検査を入念に行ったところ、被毛上に白色で約1mmほどの小さなものが確認されました。
動画:中央部に小さく白い動く複数の虫体が観察される
さらに観察すると、それは皮膚の上を動いていることが分かりました。単なる皮膚の汚れやフケではなく、外部寄生虫の可能性が高いと判断し、その場で採取して顕微鏡検査を行いました。

写真:体表から採取した白い虫体をスライドガラスに固定

写真:先ほどのスライドガラスを顕微鏡で確認し、ハジラミを確認した。
顕微鏡で確認した結果、虫体の形態的な分類からモルモットハジラミと考えられました。
その他、皮膚炎やかゆみを引き起こす問題は観察されなかったことから、今回の体のかゆみはモルモットハジラミの寄生によるものと診断しました。
治療には滴下式の駆虫薬を使用しました。
また、今回の症例ではもう1頭のモルモットが同居していたため、症状が出ていない同居動物についても感染が広がっていないか確認していただきました。
ハジラミは同居動物への直接接触などによって広がる可能性があるため、症状のある動物だけを治療して終わりにするのではなく、同居動物の確認と飼育環境の清掃を合わせて行うことが重要です。
ケージや床材などについても清掃を行い、再感染を防ぐための環境管理をお願いしました。
駆虫薬を投与し、その後の経過を確認するため約2週間後に再診していただきました。
治療後はかゆみが速やかに改善し、2週間後の再診ではハジラミの虫体も確認されませんでした。
また、同居していたモルモットへの感染拡大も認められず、良好な経過となりました。
今回のように、原因となる寄生虫を早期に確認して適切な駆虫を行うことで、強いかゆみの改善につながる場合があります。
モルモットのかゆみでは、皮膚炎という症状だけに注目するのではなく、何がかゆみを起こしているのかを確認することが大切です。
今回、入念な身体検査により皮膚上に約1mmの動くものが確認されたため、採取して顕微鏡検査を行いました。その結果、ハジラミを直接確認でき、治療の方向性を明確にすることができました。
ハジラミはモルモットの体表で生活する寄生虫で、重度の寄生ではかゆみや脱毛、皮膚の炎症につながることがあります。診断には虫体や卵を直接確認します。
また、外部寄生虫の治療では、寄生している動物への駆虫だけでなく、同居動物の確認と飼育環境の管理を組み合わせることも大切です。ハジラミは直接接触によって感染することが多い一方、汚染された飼育環境が感染拡大に関与する場合もあります。
モルモットは体が小さいため、皮膚の異常があっても飼い主様が原因を見つけることは容易ではありません。横浜旭どうぶつ医療センターでは、小さな動物であっても入念な身体検査を実施し、原因の追究を行い治療にあたります。頻繁に体をかく、毛が抜けてきた、皮膚にフケのようなものが増えたなどの変化がある場合には、早めの受診をおすすめします。
寄生数によって異なりますが、体を頻繁にかく、脱毛、フケのようなもの、皮膚の赤みなどが見られる場合があります。
比較的大きな寄生虫なので、よく観察することで毛の上を動いているところを確認できる場合があります。ただし、ダニなど他の寄生虫との区別には顕微鏡検査が必要になることがあります。
感染する可能性があります。症状がなくても寄生している場合があるため、同居動物も確認することが大切です。
はい。動物の治療だけでなく、ケージや床材などの飼育環境を清潔に保つことも再感染予防につながります。
モルモットは薬剤に対する注意が必要な動物です。犬や猫で使用される薬がそのまま安全とは限らないため、自己判断で使用せず、獣医師に相談してください。